転職を考えている20代社会人のみなさん、下記のような悩みを持っていませんか?
この記事を読めば、転職活動における『良い職務経歴書』が理解できるだけでなく、職務経歴書(レジュメ)を準備するまでの具体的なプロセスが明確になります。
なぜなら、MBA留学や外資メーカーへの転職、内資最大手メーカーで面接官を担当した私がこれまでの経験をもとに職務経歴書のポイントを解説しているからです。さらに、海外MBA受験で身につけた『効果的な職務経歴書の作成法』についてもお伝えします。
ちなみに今は外資系メーカーでHiring Manager(採用面接官)も兼務しています
レジュメ(職務経歴書)添削サービスも無料でおこなっていますので、20代の方はぜひ参考にして下さい!
転職サイトと転職エージェントの違いは?
最初に、転職サイトと転職エージェントの違いは何でしょうか?
転職サイトは、ユーザーである私たちが自分で求人を探すWEBサイトを通じたサービスです。一方、転職エージェントは、『キャリアアドバイザー』が私たちの経歴や希望をもとに求人を紹介してくれる『対人型』のサービスです。
では、20代の転職活動の場合、どちらを使うのが効率的なのでしょうか?私のオススメは、次で説明するように両方を『併用』することです。
転職エージェントと転職サイトはどう使い分ける?
20代の転職の場合、職務経歴が比較的浅いため、書類選考をいかに通過させるかが転職活動における最初のポイントとなります。
基本的な戦略は、転職サイトで希望の求人が見つかったら、そのまま転職サイトから応募するのではなく、転職エージェントを通して応募しましょう。なぜなら、転職サイトから応募すると企業側は職務経歴書をスクリーニングにかけるため、機械的に落とされてしまう可能性があるためです。(実際、アメリカではレジュメのスクリーニングをAIでおこなう企業が増えおり、今後日本もこれに追従する可能性が高いです。)
エージェントは企業との関係性を日頃から築いているため、推薦してもらうと書類選考が通過しやすくなります。職歴の浅い20代は、転職サイトで広く求人を探し、応募は転職エージェントに推薦してもらう方が効率的に転職活動を進められるでしょう。
例えば、『リクナビNEXT』で求人を探し、『リクルートエージェント』で応募する、『doda』の転職サイトで探し、『doda』のエージェント機能を使って応募する、という方法が有効です。
以下の記事で『20 代におすすめの転職エージェント7選』を紹介しているので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください!
良い職務経歴書とは?5つのポイント
転職の成功に重要なのが『職務経歴書(レジュメ)』『志望動機』『自己PR』の準備です。ここでは特に職務経歴書のポイントと、良い職務経歴書の書き方について解説します。(20代後半の職務経歴書を想定しています)
まず、良い職務経歴書とはどのようなものなのか、私の日本での採用経験、アメリカMBAを経て就職・転職した経験をもとに5つにまとめました。以下の要素を満たしているものが選考において『採用担当者から評価される良いレジュメ』になります。
- 構成はシンプルに
- “時系列”で成長過程を示す
- 具体的である(活動の結果を数字で入れ込む)
- 誰が読むのか?どのように読むのか?を意識して書く
- 1ページにまとめる
順に解説します。
① 構成はシンプルに
職務経歴書は『とにかくシンプルに』を徹底的に意識してください。なぜなら採用担当者はあなたの職務経歴書を読むのではなく、『スクリーニング』しているからです。
これは私が大手日系企業で新卒採用担当をしていたときも同じでした。シンプルな構成に則していない職務経歴書は、目を通してもらえない可能性すらあります。少なくとも土俵に立つために以下のシンプルな5部構成で書きましょう。
私の職務経歴書のポイント
後ほど紹介する私の職務経歴書の構成も、シンプルな5セクションで書かれています。特に職務経歴のセクションでは、直近のデータアナリストの項目はボリュームを大きく、入社直後の初期の職歴はボリュームを抑えて書いています。これは直近の成果を最も印象深く読み手に伝えるためのテクニックの1つです。
② “時系列”で成長過程を示す
日本の場合、職務経歴書は『時系列で書く』ことが一般的です。これはなぜかと言うと、職務経歴書と一緒に提出する『履歴書』と照らし合わせながら経歴を確認しやすいからです。企業の採用担当者は時系列順が最も見慣れているケースが多いので、特に指定がなければ時系列順に書きましょう。(※後ほど紹介する私の職務経歴書も時系列順で書いています。)
一方で、転職でキャリアアップすることが当たり前の欧米の職務経歴書(英文レジュメ)は逆時系列で書く場合が一般的です。これは、直近のスキルや成果、関わった業務について最もハイライトすることができ、自分がどのような過程でキャリアアップしてきたかをアピールしやすいからです。
私の職務経歴書のポイント
私の職務経歴書では、20代後半の職務経歴書を想定して書いています。営業担当からデータアナリストへと2つのステージに分けてAchievementsを示しています。職種が変わり、各ステージで必要な知識・スキル・経験を獲得し、職務上の成長過程を描けていることが分かると思います。
③ 具体的である(活動の結果を数字で入れ込む)
私はこれまでに多くの方の職務経歴書を添削してきましたが、ここが抜けていることが一番多いです。職務経歴書に入れ込む内容は、目標『金額』や削減した『時間』、業務に関わった『人数』、『改善率や成長率』など、具体的な『数字』で示されていることが重要です。
あなたが業務で取り組んだ活動の結果が『数字』で示されることによって、読み手に印象的に映り、信頼性も高くなります。
私の職務経歴書のポイント
私の場合、営業担当として売上目標やマネジメントした人数を具体的に記載することで、シンプルな文章でも自分の業務を具体的かつ印象深く伝えました。サプライチェーンに職種を変えてからは、業務で関わった海外販売会社の数やコスト削減の金額を『数字』を使って明確に示しています。このように結果を数字で表すことが成果を効果的に伝えるためのポイントです。
④ 誰が読むのか?どのように読むのか?を意識して書く
職務経歴書の読み手を意識しましょう。就職・転職活動であれば人事の採用担当もしくは応募する部門のHiring Managerが読み手になります。彼らの立場に立って、どんな候補者が魅力的に思えるかを考えることが重要です。
企業側は20代を採用する場合、業務経験が浅いことは十分承知です。例えば、Hiring Managerであれば、なぜこの職種・職場で働きたいのか、どのような熱意や思いを持って、どのようなスキルを身につけたいのか、を明確に語ることができる候補者の方が魅力的に感じるでしょう。
採用担当者が一人の候補者の職務経歴書を読むのにかける時間は約30秒~2分と言われています。相手の立場に立って『伝わりやすく、読み手の記憶に残りやすい表現』を心掛けましょう。
私の職務経歴書のポイント
私は使う動詞をなるべく『主体的な印象』を感じる動詞にしています。例えば、『主催した』『リードした』『特定した』などです。これは自分から積極的に動いた、ということを印象的に伝えるためです。いかに印象深く書くかについては、後半の “④成果を『印象深く』書く” のパートで詳細を解説します。
⑤ 1ページにまとめる
最後に、20代の場合は最終的に職務経歴書が1ページにまとまるようにしましょう。上述した通り、企業の採用担当は大企業であればあるほど非常に多くの職務経歴書を短時間でスクリーニングします。読み手の立場に立って簡潔のまとめるスキルも問われていると思いましょう。
私の職務経歴書のポイント
私の場合、後述の職務経歴書を書いた当時は職歴5年でしたが、職歴が7年を過ぎたあたりから2ページになりました。また、『英文レジュメ』を書く場合はどんなに職務経験が長くても1ページに納めるように書きました。常に読み手目線でシンプルに、読みやすく仕上げることが成功のポイントになります。
職務経歴書を書く具体的なプロセス4ステップ
ここからは具体的に職務経歴書を書くための具体的なプロセスを紹介します。ここは私が日米で就職活動をしてきて最も得意とする分野なのでぜひ参考にしてください!早速ですが、以下の4ステップで書いていきます。
- キャリアのステージ分けをする
- 各キャリアステージに適した『職名』を決める
- 『業務の成果』を決める
- 成果を『印象深く』書く
順に解説していきます。
① キャリアのステージ分けをする
まずは、これまでのあなたのキャリアにおける『成長過程』を示すため、キャリアをステージ別に分けましょう。この記事を読んで下さっている20代の方、業務経験が少なくても心配はいりません。同じポジションでも責任範囲が変わったり、一緒に働くメンバーが変わったり、業務環境が変わったときを境に、ステージを分割しても全く問題ありません。
以下の職務経験の長さとステージ分けの目安を参考にして、ステージ分けをおこなってみましょう。
つまり、20代のみなさんはキャリアを2~3ステージに分けることから始めると良いです。
② 各ステージに適した『職名』を決める
次のステップとして、各キャリアステージを象徴する適切な『職名』を決めましょう。英語で言うと『Job Title』です。職名はあなたの経験、スキル、成長を示す重要な役割を果たします。
職名を決めるポイントしては、あなたの直近の職名を最も印象深く、かつ今のあなたのポジションを的確に示す名前にしましょう。
③ 『業務の成果』を決める
キャリアのステージ分けと職名が決まったら、次に各ステージにおける『成果』を決めましょう。ポイントは、あなたの日常業務のことを書くのではなく、業務をおこなった結果、達成した実績や完遂したタスクを強調することが大切になります。
まずは思いつくだけ過去の実績を全てリストアップしましょう。一例として、業務成果は以下のようなものになります。
この時点ではブレインストーミングの段階なので、あくまでも目的は、漏れなくできるだけ多くの具体例を出すことです。
業務成果のリストアップが終わったら、もう一度リスト全体を眺めてみて、最終的に職務経歴書に記載するべき印象的な実績をピックアップしましょう。
④ 成果を『印象深く』書く
職務経歴書に書くべき成果が明確になったら、最後はいかに『印象深く』読み手に伝えるかを考えます。具体的には以下の3ステップを意識するとよいでしょう。
順に解説します。
1. シンプルな表現にする
職務経歴書では、通常の文章のように綺麗な一文にする必要はありません。例えば、職務経歴書は自分のことについて記載しているのは明白なので、”私” を書く必要はありません。不要な表現は書かずにシンプルに書くことが基本です。
他にも、“会社のために”、 ”さまざまな” など、書かなくても分かる、もしくは書く必要のないことは記載する必要はありません。
2. 具体性を加える
次に、成果をより印象深く書くために、具体例や詳細を加えていきます。重要なのは、それぞれの成果について『数字』や『行動の結果』を加えてより具体性を持たせることです。
例えば、私の職務経歴書の最初の成果は以下です。
20 人規模の営業チームの監督と〇〇地域最大の小売業者との月次戦略会議を主催。年間売上目標8 億円を2 年連続達成
このように、特に『数字』を加えることによって、業務の成果をより印象深く伝えることができ、かつ信頼性も向上します。
詳細を加える際、以下の要素を意識してみましょう。見違えるほど具体性が増します。
3. “動詞” に注目する
最後の仕上げとして、あなたの『積極的な行動』と『責任の重さ』を示すために ”動詞” に注目しましょう。分かりやすく説明するため、以下の2つの例を見てみましょう。あなたはどちらの文章が印象的に感じますか?
- 生産効率を向上させる新しい取り組みをおこなった
- 生産効率を向上させる新しい取り組みを主導した
2つ目の例文の “主導した” の方が、単に”おこなった”と表現するよりも、あなたが積極的にアクションを起こし、他者を巻き込んで推進した印象が伝わるのではないでしょうか?
このように動詞には読み手にストーリーを連想させる力があります。職務経歴書を書く際だけでなく、面接にも非常に効果的です。職務経歴書を推敲する際には、ぜひ動詞に注目してみましょう。
私の職務経歴書を公開
初めて書く方向けに、20代の時に作成した私の職務経歴書を公開します。(※個人情報や会社名は伏せさせて頂いております。)
『書き方のイメージ』や『具体例の入れ込み方』を参考にしていただければと思います。
職務経歴書は転職後も、あなたのキャリアの棚卸しやネットワーキングでも活用できます。是非この機会に職務経歴書作成のスキルを身につけておきましょう。
ちなみに少し話は逸れますが、英文での職務経歴書(レジュメ)の書き方や、海外留学に必要な『エッセイ』や『推薦状』は以下の記事で公開していますので、詳しく学びたい方はぜひ参考にしてくださいね。
まとめ:【良い職務経歴書とは?】MBAホルダーが選考に強いレジュメ作成法を4ステップで解説
20代で転職を考えている方向けに『良い職務経歴書』とは何か?および『効果的な職務経歴書の準備方法』を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事が少しでもあなたのキャリアに役立つことを願っております。
年間50人以上のOB訪問を受けている私が『20 代におすすめの転職エージェント7選』を解説しました。詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください!
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